国際線機材が福岡空港で目撃されたり、777-300ERがバンコクに飛んでいたりという話を耳にしましたので調べてみることにしました。
コロナウイルス感染拡大の影響で多くの航空会社が減便や運休といった対応をとっています。ほとんどの航空会社が5月までは運休や大規模な減便を決めています。
JALも多くの路線で運休、減便となっており、羽田や成田には飛べない機材が大量に駐機する姿が見られるようです。
※この記事はコロナ運休が始まった当初の20年4月のものです。更新情報はこちらにまとめています↓↓↓
国際線機材国内線運用情報
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国際線の運航状況
4月20日時点での運行状況を調べてみました。
運航はしているが旅客取り扱いをしていない便などもありますのでちょっとわかりにくい部分もあるかとは思いますが、ご了承ください。
北米路線
ニューヨーク、ボストン、サンフランシスコ、ロサンゼルス、サンディエゴ、シアトル、バンクーバー線
羽田と成田をひとくくりで「東京」として扱えば、完全に運休になった路線はなかったのですが。
4月16日以降は以下の路線が完全運休です。
- 羽田=ニューヨーク・ダラス・サンフランシスコ・
- 成田=ボストン・サンディエゴ・シアトル
飛んでいるのは週5便程度の不定期でシカゴ、ロサンゼルスと週2便のバンクーバーのみという寂しい状況です。
欧州路線
ロンドン、パリ、フランクフルト、ヘルシンキ、モスクワ、ウラジオストク線
羽田ロンドン線のJL43/44便のみが運航しています。
それ以外のパリ、フランクフルト、ヘルシンキ、モスクワ、ウラジオストク線は運休扱いとなっています。
東南アジア路線
バンコク、シンガポール、クアラルンプール、ジャカルタ、ハノイ、マニラ、デリー、ベンガルール、ホーチミン線
- 羽田バンコクはバンコク発のみ週5便程度。
- 羽田シンガポールが週3便。
- 成田クアラルンプール・ジャカルタが週3便、
- ハノイとホーチミンは現地発のみ週3便
- マニラは週2便の運航
オセアニア路線
シドニー、メルボルン線
旅客取り扱いは完全運休中です。
東アジア路線
北京、上海、広州、大連、天津、香港、台北、高雄、ソウル、釜山線
旅客取り扱いで運航しているのは
- 成田大連の日曜日1便
- 成田香港 1日1便
- 羽田台北松山 運休日もあるがほぼ1日1便
- 成田高雄 週2便
- 成田ソウル仁川 臨時便として週1便
ハワイ・グアム線
ホノルル・コナ。グアム線
すべて運休です。今回確認している間に、貨物便的な運航も見つけることはできませんでした。
機材別の運用状況
4月13日から20日の1週間の機材運用を調べてみました。
777-300ER
JALの777-300ERは13機あります。
13機すべて同じコンフィグでF8 C49 PY40 Y147の244席です。
この期間で1度も飛んでいない機体が3機いましたが他の10機は少ないフライト数ながらも稼働していました。
投入されている路線ですが、
- ニューヨーク
- シカゴ
- サンフランシスコ
- ロスアンジェルス
- バンコク
バンコクは通常ですと777-200ERが就いている路線です。貨物積載量を増やす目的での投入でしょうか。
4月16日から運休となった路線がかなりあるのですが、羽田サンフランシスコ線のようにJA736Jが17日から18日にかけてJL2/1便で飛んでいたりします。
このように、旅客取り扱い上は運休になっている路線でも飛んでいる便があります。貨物輸送のニーズがあるのだろうと思われます。
777-200ER
JALには11機の777-200ERが在籍しており、すべて国際線仕様機です。
国内線の777-200はERではない通常タイプで10機在籍中です。
777-200ERのコンフィグは2タイプあり、どちらのタイプもビジネスクラスはJAL SKY SUITEⅢです。
エコノミークラスはエコノミークラスシートとSKY WIDERの違いがあります。
- W63/64 C26Y286 312席仕様が5機
- W61 C42PY40Y154 236席仕様が6機
全く稼働していなかった機材は11機中4機ありました。
W61のJA705Jが羽田シンガポール線のJL37/36に就いています。
20日の羽田ロサンゼルスJL16はW63/64のJA709Jが就いています。
それ以外は6000番台の臨時国内貨物便?として飛んでいる機体が多いです。
- 6771/6772 HNDOKA
- 6773/6774 HNDFUK
- 6775/6776 HNDCTS
わずかにですが国内線でも数便使われています。上記の臨時貨物便としての運航のどちらかを国内線の営業便として運用する日があるようです。
使用されている機材はJA709J以外はW61仕様機です。
- JA704J 16日 JL500
- JA707J 14.15日 JL302 18日 JL900
- JA708J 14日 JL503
- JA709J 14.15日 JL500
- JA711J 16日 JL302
PYありの3クラス制の機材は国内線ファーストクラスの設定はどうしているんでしょうか。ビジネスクラスをクラスJ 解放はわかる気がしますが、どうなっているのか気になります。コロナ自粛でなければすぐにでも乗りに行きたいところですが…
ONE WORLD塗装のJA706JとJA708Jは13日、14日あたりから新千歳に駐機しているような情報をどこかでみかけました。
実際、JA708Jは14日に503便にアサインされてますね。この2機のほかにも、駐機スペースが広い新千歳に移動して駐機している機体があるようです。
787-9
787-9は全て国際線仕様機で20機登録されています。
コンフィグは3パターンです。
Cクラスのシートは2種類あり、W71はJAL SKY SUITE、W91.92はJAL SKY SUITEⅢ。エコノミーはSKY WIDERです。
- W71(8機) 195席 C44 PY35 Y116
- W91(4機) 203席 C52 PY35 Y116
- W92(8機) 239席 C28 PY21 Y190
この期間で1度も飛んでいない機体は3機確認できました。
現在のJAL国際線の主力機です。今回調べた期間内で、ダラス・シカゴ・ボストン・ロンドン・フランクフルト・ヘルシンキ・マニラ・北京・台北・香港・広州・クアラルンプール・ハノイの便に就いているのが確認できました。
ここで気がつくのは、フライトが運休になっている就航都市へのフライトがかなり多いことです。例えばこちらはJA877Jです。
ヘルシンキ線は完全に運休しているんですがほぼ毎日のように飛んでいます。この877Jともう1機の873Jが交互に毎日ヘルシンキに行っています。
どこかの方が「毎日サーモンを運んでいる」って書いてましたが、あながち冗談でもないのかもしれませんよね~。
完全運休の都市の中にはほかにも、便数は多くないのですがフランクフルト・広州やシドニーにもフライトが確認できます。フランクフルト便はFRA⇒NGO⇒NRTの経由便で運行されていたりもします。
787-8
787-8は27機が運用中です国際線仕様機と国内線仕様機があり、国際線23機、国内線4機が登録されています。
コンフィグは4種類。E11,12がJAL SKY SUITE・JAL SKY WIDER、E03はSHELL FLAT NEO・エコノミークラスシート。
- E21 (4機) 291席 F6 J58 Y227
- E12 (9機)186席 C30 Y156
- E11 (1機)161席 C38 PY35 Y88
- E03 (13機)206席 C30 Y176
787-8は国際線仕様機23機中12機が今回調べた期間中に1度も飛んでいませんでした。ほぼ半分の機体が全く動いていなかったということになります。
運用的にはE12機材がサンディエゴ・シアトル・バンクーバーとマニラ・台北・大連。E03機材が上海・ホーチミン・ソウルで運用されていました。
16日以降はサンディエゴ・シアトル運休でバンクーバーは週2便。台北はほぼデイリー運航なものの、ホーチミン週3便・マニラ週2便・大連週1便と激減します。
ソウルは成田から仁川への臨時便週1便。上海線には貨物便としての運用だと思いますが毎日のように飛んではいます。成田上海の単純往復だけでなく、上海⇒関西⇒成田の便も見られます。これらの路線は平常時からE03機材が就いていたのでそのままなのでしょう。
767-300ER
767-300ERは29機が在籍しています。国際線仕様機15機・国内線仕様機14機です。767-300型機も国内線仕様に2機が残っています。
コンフィグは5種類。
A25・27が国内線仕様機、
A41・43・44が国際線仕様機です。
A41はJALスカイラックスシート・エコノミークラスシート。
A43はJAL SKY RECLINER・エコノミークラスシート。
A44はJAL SKY SUITEⅡ・JAL SKY WIDERになります。
- A25(9機) 252席 F5 J42 Y205
- A27(5機)261席 J42 Y219
- A41(2機)237席 C30 Y207
- A43(4機)227席 C30 Y197
- A44 (9機)199席 C24 Y175
国際線機材で全く飛んでいない機体は10機確認できました。15機中10機が全く仕事がない状態にあるということです。
仕事をしていた数少ない機体も、1~2往復しかしていませんでした。高雄・マニラ・バンクーバーです。
767はカーゴスペースが広いというイメージだったのでもっと飛んでいるかと思ったのですが、ちょっと意外でした。
737-800
737-800の国際線仕様機は9機登録されていますが、今回調べた期間中に飛んでいた機体を見つけられませんでした。
さいごに
しらべてみて、国際線機材はやはりほとんど飛んでいないのがよくわかりました。4月16日以降はさらに減便運休が進んでいるので全く飛ばない機体が増えると思います。
JALいがいの各国の航空各社も含め、5月いっぱいくらいまではほぼ運休を決めているところが多いです。なんとか6月以降は少しづつでも飛べるようになることを願いたいです。