石垣島から船で20分ほどで行ける近さで人気な離島、竹富島。
2019年9月から入島料の徴収を始めています。
私は、「観光客から少しづつ協力金をいただく」っていう考え方は賛成です。
今回の竹富島に行く前、この入島料について調べていったんです。
が、あまり納得いく情報にたどり着きませんでした。
結論から言うと、私は払わなかったんですが、
その経緯を少し書いてみました。
地域自然資産法に基づく「入域料」
地域自然資産法は平成27年に制定されました。管轄は環境庁です。
竹富島はもともと入島料の徴収を検討していたため、地域自然資産法に基づいてはじまった今回の「入域料」に関しても、もともとの入島料という言い方を使っているそうです。
地域自然資産区域における自然環境の保全及び持続可能な利用の推進に関する法律のことで、地域における自然環境の保全や持続可能な利用の推進を図るために入域料等の利用者による取組費用の負担や寄付金等による土地の取得等、民間資金を活用した地域の自発的な取組を促進することを目的としている、とあります。
金銭徴収が絡むのでなにかしらの団体が管理するんですよね、こういうの。
(一財)竹富島地域自然資産財団 というところがその役割のようです。
この入域料、集めたお金を具体的に何に使うのかの説明がないんですよ。この入島税は強制徴収ではないので、払う人が払うべきものか否かを考えるんですよね。
強制徴収なら考える余地はないので払っちゃうんです、不思議なもんですが。
なので、「こんな感じなことに使う予定です」だけでは無理。
皆さんにお金だしていただけたら、ここでこれをやります!っていう具体的な話が見えないとなぁ、なんです。
実際に竹富島に行ってみてわかること
竹富島へのアクセスは、石垣港離島ターミナルからの船便です。
自動販売機
離島ターミナルには入島料徴収用の「自動販売機」が待合室から桟橋へ行く出口付近に1台設置されています。
正直に言って、この自販機で入島料を払う人はほとんどいないと思います。ちょうど船を待つ待合室にあるので目を引くんですが、その場では、払わないと竹富島に行けないわけでもなく、何のための300円かよくわかりません。
もし100円で記念のポストカードがランダムなデザインで出てくるような自販機とかなら盛況かもしれないけど、強制力も罰則もないのでスルーですよね。
強制力がない
入島料の徴収そのものには私は賛成です。
強制的に徴収されるものは、ある程度裏付けがあって徴収されているけれど、強制ではないものは徴収理由・何に利用されるのかがあいまいだ、というようなイメージがつきます。
強制徴収で分かりやすいのは空港利用料でしょうか。最近では出国税なんてのもあります。絶対に支払わないとダメなやつです。
竹富島に来る人たちも出発空港で空港税などの名目の料金を航空券代と一緒に払っています。船の料金にそれらの金額が付加されることはそれほど抵抗ないと思います。
竹富島の場合には、島であること・船で1カ所の港からしか入域できないことから考えて、最初から船の料金に上乗せすればよいですよね。
ただ、徴収した料金の利用目的が、徴収するところとは全く別のところになるとすると難しいですかね。個人的には「竹富港及び島内観光施設使用料」みたいにしたらいいと思うんですがね、甘いかな?www
離島に住んでいる方、生活している方はどうするか?離島住民割引運賃カードとか持ってるはずなんで、観光客以外は割引が使えるようにしたらいいんじゃないですかね~。
私で思いつく以外にも、できない理由があれこれあるんでしょうけどね(笑)
竹富港にも徴収所あります
竹富港に到着してターミナルの建物に入るとこんな感じ。入島料の自販機は写真の右手にあります。
入島料を支払った方々にちょっぴりプレゼント的な対応をされていたのが、写真左側のカウンターテーブルで対応されている方のところです。
ちょっとした栞みたいなプレゼントを渡されてました。
竹富島地域自然資産財団
最初に言っちゃいますが、島のための入島料なのはわかります。支払う側の観光客に向けた活動が見当たりません。地元と観光が両立していくためにお互いに協力するべきものだと思うんですが、観光客の利便性向上などの項目は見つかりませんね。
300円の入島料ですから2/3は200円ですよね。
財団の運営費と収受業務にかかる費用は固定費ですので大きな変動はないと思います。
自然環境保全活動費はその活動内容に応じて必要な予算は変わるはずです。
実際には何かやりたいことがあるのなら、プランをしっかり例示して理解を得て協力してもらえばいいと思うんですよね。
海浜清掃をやりたいなら、
経費がこれだけかかっているので入島者の皆さんにも一人当たり50円程度の負担をお願いしたい、
とかね。
プランとコストを明らかにして協力を募れば協力する人も増えるのでしょうが、何に使われるのかわからないことにお金払う人は皆無ですよね。
資金の使いみちを具体的に明確に示すべきだと思います。
- 〇〇ビーチの清掃費用に使います
- 〇〇地区の防風林の植林に使います
みたいな感じなら、支払うほうもイメージがわきやすいし。
さいごに
日本はホスピタリティの考え方が皆無です。
ホスピタリティの直訳はおもてなしですが、日本語のおもてなしはわざとらしいおもてなしの方なので意味が少し違います。
「こうしたら喜ぶだろう」はおもてなしですが、「いつも通りに接していたら喜んでいただけた」がホスピタリティだと思うんです。
お客さんが来る、そのお客さんが笑顔で帰れるようにあれこれ手を打つ必要はない。
当たり前のことをしていれば、お客さんは笑顔で帰っていくもんだと思います。
その当たり前がホントにむずかしいんです。