中距離LCCの就航に期待のかかるエアバスA321LR。国内LCCではジェットスターとピーチが導入予定です。
しかしこの度のコロナ禍の影響もあり、ジェットスタージャパンが導入延期を発表しました。
LCCに期待されている路線
LCC各社が使用している機材がA320であることで、就航可能都市はA320の航続距離に依存しているのが現状です。
A320の航続距離が3,200kmであるのは、路線開設にあたっての大きな壁でありました。
東京から航続距離でいうと、ギリギリの都市がハノイや成都あたり、需要のありそうな都市の南限はセブといった感じとなります。
A321LRとは?
A321LRはA321neoの航続距離を延長した機材です。
大西洋横断路線に使える単通路機材の位置づけで、ボーイング757の代替としての需要が大きい機材です。航続距離は7,400kmとなっています。
ジェットスターが導入する予定のエアバス321LRは以下のような機材になっています。
- 座席数 238席
- 航続距離 5,500km
- シートピッチ:28~39インチ(71~99cm)
全席エコノミークラスで、提供座席はA320シリーズの180席から53席増となります。
A320neoの航続距離
A320ceoでは東京から飛べるのは3000km圏内でした。ジェットスターが導入する予定のA321LRでは5,500km圏内までの飛行が可能となるようです。
同じLCCのピーチが那覇からバンコク線をA320で飛んでいます。こちらも本来は東京や大阪から飛びたい路線で、これも航続距離の関係です。
A321LRの導入は、LCCとしての需要が大きい日本と東南アジア各地への便が設定できるという大きなアドバンテージが得られることになります。
A321LR導入延期
USB電源やタブレットスタンド、無線による機内エンターテインメントも備えるA321LR。当初は今夏から3機導入し、国内線の幹線や東南アジア主要都市への路線開設を計画していたが、ジェットスタージャパンによると導入時期は検討中とのこと。
当初の導入予定は今年の夏でしたがコロナ禍の影響で需要が見込めない状況は今後しばらく続きます。
10機の増機計画のうちの最初の3機として導入予定だったA321LR。
日本本土と東南アジア主要都市やリゾートの路線開設を見込んでいたわけですが、それらの需要が回復するのはかなり先のことになるのは明白です。
さいごに
A321シリーズにはA321XLRという機材もあり、こちらは航続距離8,700㎞です。東京からシドニー・デリー・アンカレッジまで飛べることになります。
今後はこれらの航続距離の長い機材をLCCが導入してくるので、短距離多頻度運航だけではなく中距離の運航もLCCが担っていくのは確かなようです。
コロナ禍がうまく収束して、人の移動が活発になる日が早く来ることを願ってやみません。