コロナウイルスの影響拡大の勢いが少し弱まっているように感じられるここ最近です。日本ではまだまだ国内の流行が落ち着いているとは言えないのですが、台湾や香港では外国人の入境に関する考え方が示されつつあります。
各国の外国人の入境・受け入れ開始の条件はまだ決定したものではありませんが、見通しとして検討されているものをチェックしてみました。
香港の現状
香港は外国人の入境が3月25日以降、無期限で禁止されています。
今回9月18日まで延長となった制限は、香港在住者を対象にした外国からの帰国時の14日間の強制隔離措置です。
また、中国本土、マカオ、台湾から香港に到着する特定の人に対する14日間の強制隔離を規定しているが、こちらは7月7日まで1カ月間延長されることになりました。
香港でのトランジットも3月25日からサービスが停止されていましたが、6月1日から解禁されました。ただ、キャセイパシフィック航空の運航便はまだかなり限られているので、利用者も限定的だとは思います。
中国本土・台湾がカギになりそう
香港の外国人入境制限の段階的解除に向けては、中国本土と台湾が最初になりそうではあります。
中国本土は報道を見る限りは新規感染者が抑えられているようです。台湾も抑え込みに成功していて感染者数も非常に少ない国の一つです。
政治的・経済的つながりも大きい地域ですので、まず最初に人の往来が始まるのは陸続きの深圳になるのかもしれません。
台湾も平時の人の往来は非常に多かった地域です。
他国との人の往来を解禁していくにはまず中国本土と台湾との間で正常化が始らないと厳しいでしょう。
台湾の現状
台湾は3月19日から外国人の入境を一律禁止しています。
中央感染症指揮センターという機関から発表された内容を見ていきます。
まず、世界の国々を相手国の感染状況や経済的な結びつきなどから判断し、4つのカテゴリーに分けています。
カテゴリー1はニュージーランドとパラオ、
カテゴリー2はベトナム。ブルネイ。
日本はカテゴリー3に分類されているそうで、オーストラリアやタイと一緒です。
これ以外の国はカテゴリー4になっているそうです。
カテゴリー1の国はマスクの着用や検温の実施など、自主健康管理。カテゴリー2の国は入国後5日間の隔離ののち陰性であれば自主健康管理、などといった感じです。
観光客などを受け入れるにはカテゴリー1が必要
上記のカテゴリー2では5日間の隔離が想定されているので観光で入国するのはムリでしょう。
観光客の受け入れができるレベルになるにはカテゴリー1の状況になることが必要で、ニュージーランドやパラオの状況に日本やタイが追い付くにはかなりの時間がかかると予想されます。
もし入境制限が解除になるのであれば、おそらく相手国との相互解除になると思われます。
日本が台湾との間での入境制限解除に向かうためには、日本国内の感染者数を押さえ続けなければなりません。しかし、緊急事態宣言解除後の最近の報道をみると、人の往来が復活するのに伴って新規感染者が増えてきているので、まだまだ時間がかかりそうです。
さいごに
私個人的には、秋ごろから少しづつ観光客も動けるようになるのではないかと期待していました。現実には秋までに「観光」が動き出すことは期待薄な状況になっています。
更に冬が来ると、インフルエンザとともにコロナウイルスも流行しやすい時期となります。再度流行が発生する恐れも否定できず、人の往来を解除にもっていくのはかなり厳しいでしょう。
国内線のないキャセイパシフィックやそれほど路線もない台湾国内線では航空会社もかなり苦しい状況だと思うので、早い時期に少しづつでも運休・減便が緩和されることを願ってやみません。